ヒノキとは　ー その歴史と魅力 ー

ヒノキは、日本を象徴する木として、尊く最高のものを表す「日」（太陽）をとって「日の木hi-no-ki）」が由来だという説もあり、古くから日本で大切に育成されてきた希少な樹種。「スギとクスノキは舟に、ヒノキは宮殿に、マキは棺に使いなさい」と日本書記に書かれているほど、ヒノキは古くから建築材として最適・最高であることが知られていました。法隆寺を始め、国宝級の神社仏閣の構造と美観を文字通り支えるなど、日本の歴史の時空間において長く利用されてきましたが、その背景には正当な理由と特徴があります。木材として強靭で耐久性が極めて高く、精油成分は木材腐朽菌や害虫を寄せ付けない殺菌効果があり、また美しい光沢と木肌は平安時代以降、仏像彫刻にも使われることとなったのです。そしてどこか懐かしさを感じさせるその芳香は、温泉や入浴環境での活用も促進し、人々の心を鎮め寄り添ってきたといえます。ヒノキは、日本の精神性、品位、清潔で安心安全な暮らしと深く関わってきた木。まさに「神が与えた自然の恵み」なのです。